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３０代前半、企業で激しく働いていたころ、「この先１０年このままで果たして自分は幸せなのか？」という漠然とした問いが浮かんでいました。しかし相談できる余裕や相手も見つからないまま、その答えは見いだせず一人悶々としていました。その時、偶然（必然）にも、コーチングというものの存在を知ったのです。コーチングを受けるにつれて、まったくの霧の中にかすかな光が射すように、自分の本当に進みたい方向が少しだけ見えてきました。それを頼りに、一歩具体的な行動を取ると、また一歩その先が見えてくるというように、手探りしながら歩むうちに、これが本当に自分がやりたいことだ！と思える道が見えてきたのでした。
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誰にでもその人にしかない独自の道があり、その道を見つけ出した時、その人が本来持っている力を解き放つことになる、と思います。しかし、そういう探求は一人ではなかなか難しいのも事実だと思います。私がコーチングをしているのは、その人が本来生きたい道を見つけ出すための旅の道連れとなって、一時期ともに歩むことに深い歓びを感じるからです。私は、「自ら然しく（らしく）」、という言葉が好きです。鳥が自分が鳥であることを疑わないように、人が自分の自然な姿を思い出した時に放つ、何ものにも変えられない輝き、美しさ、力強さに魅了されているのだと思います。
経営者、先生、政治家など、組織やコミュニティの中でリーダー的な役割を担っている人です。なぜなら、彼らが自分の原点を見つめ直し、本来の目的につながり、自分を超えた何かのために持てる力を存分に発揮することが、この世界に波紋のように影響を与えていくと思っているからです。そして、そういう立場にいる人ほど、誰にも相談できない悩みや葛藤を抱え、孤独を味わっていると思うからです。また、自然の中で自分を見つめ直したい人もです。自然の中ではもともと備わっている五感や感性が研ぎすまされます。そのことは、リーダーとして視野を広げ、感じる力を深め、ひらめきや直感をもたらすことにつながります。
自分のことをどのくらい知っているでしょうか。肩書きや経験だけでなく、持ち味や強み、大切にしている価値観を深く発見することができます。また、自分が前に進むのを妨げている無意識の心の声を自覚し、自ら対処できるようにもなります。コーチングが終了する時に、セルフで自分を扱えるようになって欲しいと思います。
森に人を案内し、森が持っている偉大な力を借りて、身体と心を開いて自分の原点につながり直すための場を提供しています。森の中では次第に五感が開き、様々なものを鮮明に感じられるようになっていきます。さらには、心の奥底にあるビジョンが浮上したり、恐れや葛藤がほどけていくような体験が起きます。すべてを頭で理解しようとせず、理解できないけれども確かにそこにある何かに身を任せる経験は、これからの社会を生きる上で、とても貴重なものだと思うからです。さらには、私たちは生態系の中でしか生き得ない存在であり、人間がすべての生命とのつながりを思い出すことがとても重要なタイミングに差し掛かっていると感じています。
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