プロコーチ 田中 直子さん

1974年7月21日生まれ
明治学院大学卒業後、12年間にわたり大手外資系企業にて人事および営業企画を経験。
組織開発・人材育成を担当し、社内クライアントへのコーチングセッションを行う。
また、社会保険労務士として企業内の労務問題の解決を行う。
2009年7月退職、その後プロコーチとして独立。米国CTI認定プロフェッショナルコーチ(CPCC)

思い込みを外した
1回のセッション

今のコーチングの状況から教えてもらえますか?

クライアントは、常に30人はいます。10人くらいはコーチングで起業したい人で、残りの20人はやりたいことを見つけたい人。8割女性で、半分が30代、3割が20代と40代。30代のOLさんが多いですね。

メルマガをやっていて読者が8,000人います。最初からターゲットをそこに絞っていた訳ではなく、紆余曲折あって今のようになってきました。

収入はパーソナルコーチングで100万円くらいです。それに、やりたいこと見つけるワークショップの収入などを合わせて月収150万円くらいでしょうか。

パーソナルコーチングだけだと限界があって、売り上げも頭打ちになるし、コーチングを受けるほどでもないけど、やりたいことを見つけたい人はたくさんいると思って続けています。

素晴らしいですね。それだけのところに行くまでの紆余曲折のところをぜひ聞かせてください。まずは、コーチングに出会うきっかけのあたりから話してもらえますか?

2007年、外資の会社で人事の仕事をしていたので、「コーチング」という言葉は聞いたことがありました。
その頃は、自分のしたいことがわからず、人間関係もうまくいってなかったんです。「コーチングを学んだらいいんじゃない?」と知人に言われて、仕事に役立てばいいなと思い基礎コースに行きました。

ついでに人間関係もよくなるといいかな、というぐらいにしか思っていませんでした。基礎コースは純粋に面白かったです。当初の思惑と違って、仕事のためというより自分にとって役に立つという経験をしました。

私は小さい頃から人嫌いで、親と仲が悪かったんです。3人兄弟の一番上、親が厳しくて、自分は嫌われていると思っていました。だから大学を卒業してすぐに家を飛び出して一人暮らしを始めました。

31歳の時に母親が急に亡くなりました。2年くらい経った頃に単発のコーチングを受ける機会があって「お母さんに伝えたくて言ってないことあるんじゃないの?」とコーチに問われた時、「お母さん、もっと一緒にいたかったよ。」って言葉が出てきました。

小さい頃から今まで親に嫌われているんだと思っていたけど、それは自分が創っていた幻想だった。本当は親と一緒にいたかったんだと、はじめてわかったんです。 自分はありのままで価値があり、ありのままで愛されているんだと気づいたのです。

それから父のところに行って「今まで反抗してごめんね。」と仲直りしました。そしたら、他の人との関係も自然とよくなっていきました。そのコーチングを受ける前と後では、世の中の見え方が全く変わってしまいました。

コーアクティブ・モデル(*1)でいえば、まさに「本質的な変化」ですね!それからどうなったのですか?

その頃から応用コースに行き始めました。
自分に「ありのままで価値がある」って気づいたら、「やりたいことがわからなくて困っていた」理由が見えてきました。

それは、一言でいえば、人に評価されるために仕事をしていたから。自分に価値がないと思い込んでいるから、他人から5段階評価で「5」をもらうことが自分の価値だと勘違いしていました。それは本当は自分のやりたいことじゃなかったし、そもそも「何がやりたいか」ということ自体、考えたことがなかったんだと気づいたんです。

その頃は転職活動をしても書類は通るけれど、面接で「何やりたいの?」と聞かれてしどろもどろになり、何十社も落ちました。「御社のために尽くします。」みたいな嘘っぽいことしか言えないから落とされる、それの繰り返しでした。他人の評価=自分の価値だったんです。

ありのままの自分に
価値がある

「ありのままの自分に価値がある」というのは、コーアクティブ・モデルで見ると、自分をNCRW(*2)として見るということですよね。

2008年に仕事が変わり営業企画になったんですが、人から評価されるために頑張るというのは変わってなくて、異動した先で「こいつ使えない」と思われるのが嫌で、一生懸命頑張ったんですよ。でもやり過ぎて具合が悪くなっちゃった。

病院に行ったら「休みなさい」って言われて1ヶ月休みました。休んでいる間にいろいろ考えてみて、もう人の評価のために朝から晩まで働くのはやめようと思うようになりました。

異動した最初の年は評価の「5」をもらえました。
その時、上司が「なおこさん、評価5だったよ。私、誇らしかったわ。」と言うのを聞いて、なんだか気が抜けちゃったんです。「私、この人のために働いているんじゃない!」この時、最後の何かが外れたんだと思います。

その時、何か決意したことがありましたか?

「これからは自分のやりたいことだけやって生きよう」って決めたんですよ。次の仕事を決めずに2009年7月に会社を辞めて、転職活動も少ししたけど、もう人に指示されて仕事するのは無理だなと思いました。

そして、2009年10月に起業。コーチで起業すると決めちゃったから、慌てて上級コースに申し込んで、2009年12月から上級コースがスタートしました(笑)。

その頃「会社やめることにしたんです!」とすごく伸び伸びと嬉しそうだったのを覚えています。きっと、それからの苦労はいろいろあったと思いますが、どうでしたか?

はい、それはもう!(笑)。
コーチって名乗らなきゃ!と思って名刺を作って、ブログも始めました。書く事ないけどとにかく毎日書きました。それが今まで続いています。

なんと、ブログの最初の記事は「俳優の千葉真一さんに会いました。」ですよ(笑)友人のパーティでたまたま知り合いの知り合いで会って。しかも私は千葉真一さん知らなかったんですよ。それでも「有名な千葉真一さんですよ。」と言われて、「一緒に写真撮ってください。」と撮ってもらってブログにアップしました(笑)。

それでも書かないよりましなんです。書く事ないと思って書かないと、書くハードルがどんどん上がっていって、いいこと書かなくちゃって思って書く事が怖くなるんです。

 
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*1. コーアクティブ・モデル
人の可能性を信じる人間観をベースにし、相手の本質的な変化のために自分の持っている資質を使う関わり方を示したモデル。コーアクティブ・コーチングのすべてが集約されているモデルである。
http://thecoaches.co.jp/coaching/coactive.html

*2. NCRW
People are Naturally Creative, Resourceful and Whole.
人はもともと想像力と才知にあふれ、欠けるところのない存在である

コーアクティブ・モデルの中の4つの礎の一つであり、根本的な人間観を示している。相手の可能性を信じて、本来の姿を見続けるスタンスで、コーチのスキル以前に大切にしているあり方。

響きから生きる人たち インタビュー

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