コーチング編
Q.コーチングを学ぶと、どんなメリットがあるのですか?
コーチングを学ぶと通常、他者との人間関係がよくなります。これはコーチングのスキルを身につけたことによってコミュニケーションの質が向上することもありますが、それよりもコーチングを通して人に対する見方が変わることに理由があります。
また、コーチングを学ぶと他者との関係だけでなく自分との関係もよくなります。これは他者をコーチングする中で知らず知らずのうちに自分に対する見方や自分とのコミュニケーションの質が変わるからです。
Q.コーチングで学んだことを仕事や家庭で使うことはできますか?
「人が二人いればコーチングはできる」と言われています。したがって、職場でも家庭などのプライベートでもその気になればコーチングを使うことはできます。
しかし、その場合も、相手を自分の思い通りに動かすために使うものではありません。コーチングはあくまでも相手自身がその人のなりたい自分になることをサポートすることが目的の場合にはじめて効果を発揮するものなのです。
Q.コーチングを職業としたいのですが、可能ですか?また、それだけで生計を立てることは可能でしょうか?
もちろん、コーチングを職業とすることは可能です。ただ、それで生計が立てられるようになるかどうかはひとえにその人のコーチとしての力量がどれくらいかによって決まってくるものなので、常に自己研鑽と自己成長が求められます。
コーチが人を相手とする仕事である以上、クライアントが求めるサービス、しかも信頼性のあるサービスを提供することがコーチとして成功するための鍵であると言えるでしょう。事実、成功しているコーチたちは主に口コミでクライアントの紹介を受けることが多いようです。また、これまでの自分の職業や人脈、キャリアなどを活用することでコーチとしての相乗効果が生まれているといいます。
Q.コーチになる人には何か適性や条件のようなものはありますか?
コーチングが人を相手とするものである以上、人に対する興味・関心を持っていることが、最低限必要な条件だと思います。あとはよく「聞き上手であること」などの条件を聞きますが、それよりもコーチ自身が自らの可能性を信じ、その可能性を発揮するため、勇気をもって行動を起こしていることが大事だと思います。なぜなら、自らの可能性を信じられない人が他者の可能性を信じることは基本的にできないからです。
Q.コーチングはカウンセリングやコンサルティングとどう違うのですか?
一口にカウンセリングやコンサルティングといっても、それにはいろいろなものがありますので、明確に区別することは困難ですが、一般的に言えば、カウンセリングやコンサルティングが、相手の問題解決(前者は精神的な問題、後者は事柄的な問題)を目的としているのに対して、コーチングは、相手の自己実現を目的とするという違いがあります。
また、カウンセリングは主に相手の感情に焦点を当てますが、コーチングは相手の感情も入り口とすることもありますが、主に行動に焦点を当てるという違いがあります。さらに、コンサルティングは相手に対して答え(解決策)を与えるのに対して、コーチングは相手から答えを引き出すという違いがあります。
Q.アメリカにおけるコーチング事情について教えてください。
アメリカでコーチという職業が認知され始めたのは90年代初め頃からです。その頃、CTIを始めいくつかの専門的なコーチ養成機関が設立されました。90年代半ばにはそれら異なる機関の横断的な組織として国際コーチング連盟(ICF:International Coaching Federation)が設立され、コーチという職業の普及・発展に努めています。同連盟は毎年北米でカンファレンスを開き、日本からも多くのコーチが参加するなど、世界各国からコーチが一同に集まる機会となっています。
Q.今後、日本でコーチングはますます広まっていくと思いますか?
コーチングは単なる一過性の流行というよりも、大きな時代の流れの中で必然的に登場したものだと思います。それは一言で言うと、「人間性の尊重」だと思います。自らを「無限の可能性をもった存在」として尊重し、同時にお互いを等しく「無限の可能性をもった存在」として尊重する。その前提から出発して、お互い協働し合いながら新しいものを創っていこう、ということではないでしょうか。
これからの日本でのコーチングは、ひとつの職業という視点よりも、コーチングを活用してどう1人ひとりが問題意識のある課題に対して貢献できるか?というポイントが大切になり、日本で定着するかどうかの正念場になると思います。
Q.日本にもいくつかコーチングを学べるところがありますが、CTIの特徴は何ですか?
CTI及びCTIジャパンのプログラムは、国際コーチング連盟(ICF:International Coaching Federation)のACTP(Accredited Coach Training Program)として世界で初めて認定されたプログラムです。
コーチングには事実いろいろな種類のものが存在しますが、CTIでは他のコーチングと区別するために自らのコーチングを「コーアクティブ・コーチング®」と呼んでいます。「コーアクティブ®」とは「協働的」という意味であり、それはクライアントがよりよく生きることを目的としたパートナーシップをコーチとクライアントが協力しながら創り出していくコーチング・スタイルを言います。
また、CTIでは「体験学習」を重んじ、レクチャー形式のプログラムではなく、受講者が他の受講者とのやりとりの中で自らコーチングを学び取っていくワークショップ形式のプログラムとなっているところに特徴があります。さらに、受講者が自らの関心の度合いや求めているレベルに応じてどこまでやるかを自由に選択できるよう段階的なプログラム構成になっています。また、単なるコミュニケーション・スキルの向上にとどまらず、コーチとしての「あり方」といったところを重視したコーチング・モデルを推奨しています。
Q.CTIのコースに通うと最終的に何か資格のようなものはもらえるのですか?
CTIのすべてのコース「コアコース」・「上級(プロフェッショナル)」コースを修了し、CTIが実施する試験に合格すると、CPCC®(Certified Professional Co-Active Coach)という認定資格が授与されます。
CPCCを取得されますと、取得までに要したトレーニング時間は国際コーチング連盟(ICF:International Coaching Federation)の認定資格の応募要件のうち、「コーチングに特化したトレーニング」の時間として認められます。また、ICFの口頭試験が一部免除されます。
Q.CTIジャパンのビジョンを教えてください。
CTIでは、単に優秀なコーチを数多く養成するだけでなく、ビジネス・教育・医療・政治・地域社会・NPOそして家庭など、あらゆる分野にコーアクティブ・コーチングの考え方、そして関わり方が浸透し、1人ひとりが本当の意味で生き生きと、しかも自らの持てる可能性を最大限発揮できるような生き方ができ、同時にその人たちが協働的に関わる中で、組織全体あるいは社会全体が活気に満ち、これまでにないほどの繁栄を享受できるような世の中創りに貢献したいと考えています。
米国CTIでは、その一環として、2001年には刑務所に服役中の囚人に対してコーチングのワークショップを行い、彼らの自力更生の道を開いたとして大きな社会的反響を呼びました。
CTIジャパンでも、CTIグループの一翼を担う存在として、よりグローバルな活動を志向していきたいと考えています。